|
銀行預金等の利子が入金される時、本来受け取る総額から所得税と住民税が差し引かれます。通帳には差引額しか記載されていないので意識していない人が多いと思いますが、実際には[国税(所得税+復興特別所得税)15.315%+地方税(住民税)5%=20.315%]が差し引かれているのです。この住民税の部分のことを「利子割」と呼びます。
税制改正により、平成28年1月1日以後に法人が支払を受ける分から、住民税が廃止されることになりました。(平成25年度の税制改正によるものですが、施行が平成28年1月1日からということになっています。)
つまり、今年の1月1日以降、法人が持っている銀行口座に付く利子からは、国税の15.315%のみが差し引かれることになります。
この改正によって何が変わるかというと、利子を受け取った際の経理処理はもちろんですが、もう1つ、法人税の申告の際に注意が必要になります。
利子という1つの所得に対して、法人税と所得税、法人住民税と利子割という二重課税を防ぐために、法人税の申告の際には所得税と利子割をそれぞれ法人税や法人住民税から控除してもらう(控除しきれない分は還付)手続をしていたのですが、それが今後は所得税だけになるということです。([ロ]の部分)
なお、今回の改正は法人に限ったものであり、個人が支払を受ける利子等については、従来どおり住民税も含めた額が源泉徴収されます。(個人の所得はもともと所得の種類に応じて区分されていて利子所得が他の所得と混じることが無いため、二重課税云々の問題は発生しません。)
従来(平成27年12月31日まで) | 改正(平成28年1月1日より) | |
所得税 | 15% | 15% |
復興特別所得税 | 0.315% (所得税×0.21%) |
0.315% |
住民税(利子割) | 5% | −(廃止) |
合 計 | 20.315% | 15.315% |
【関連リンク】
《財務省》 平成25年度税制改正の大綱
※掲載記事は掲載日現在の法令等に基づくものです。その後の制度の廃止・変更等には対応していませんので、ご注意ください。