12月24日、「平成26年度税制改正大綱」が閣議決定されました。
この中でゴルフ会員権の損益通算廃止が盛り込まれ、来年度つまり平成26年4月1日以降、個人がゴルフ会員権の売却で損失を出しても他の所得との損益通算ができなくなることが濃厚となりました。
現行の税制では、個人がゴルフ会員権を譲渡して損が出た場合、給与所得など他の所得から差し引くことにより(確定申告が必要)、税金の還付を受ける(もしくは支払う税金が安くなる)ことができます。(これを“損益通算”といいます) しかし、今回の税制改正でそれができなくなる可能性が高いということです。
所得税法では、“生活に通常必要でない資産”に係る所得の計算上生じた損失は損益通算できないと規定しています。
普通に考えれば、ゴルフ会員権は生活に通常必要な資産とは思えないのですが、現行ではなぜか損益通算が認められています。条文上定義している生活に通常必要でない資産とは、競走馬その他射こう的行為の手段となる動産、別荘等の趣味娯楽用不動産、生活用動産のうち一定のものに限られています。ところが、ゴルフ会員権はこれらにあてはまるものではないため、規制の対象外となっているのです。
「平成26年度税制改正大綱」(平成25年12月24日閣議決定) 抜粋
譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加える。
(注)上記の改正は、平成26 年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用する。
法案はまだ国会審議を経ていませんので現時点で確定ではありませんが、成立は濃厚です。手持ちの会員権に含み損を抱えていて他の所得と損益通算をお考えの方は、平成26年3月31日までに売却手続をした方がよさそうです。
なお、所有しているのが法人の場合は今回の改正は関係ありません。
【関連リンク】
《財務省》 | 平成26年度税制改正大綱(全文PDFファイル) |
平成26年度税制改正大綱(HTML版該当ページ(3/8)) |
※掲載記事は掲載日現在の法令等に基づくものです。その後の制度の廃止・変更等には対応していませんので、ご注意ください。