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(2012/01/19) 住宅ローン控除:制度の変わり目に要注意

 税務署が配布している『年末調整のしかた』というパンフレットの中で、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)に関する部分に違和感を感じました。

 住宅ローン控除は住宅政策の一環としての制度なので、数年毎に制度が変わります。控除の期間、控除率、1年あたりの限度額が細かく異なりますので、表を見ながら突き合わせをしないと間違いの元となります。

 下の表は、『年末調整のしかた』の一部抜粋ですが、平成22年度版と平成23年度版とで記述の違いがあることに気付きます。



平成22年分 『年末調整のしかた』 32ページより



平成23年分 『年末調整のしかた』 36ページより

 「住宅を居住の用に供した日」の欄を見ると、昨年度版では平成11年1月1日から途切れることなく続いているのですが、今年度版になると、平成13年7月1日〜同年12月31日の期間がすっぽりと抜けています。

 一見、「ミスプリントかな?」と思ってしまいますが、実は以下のような理由があります。

 初年度から数えて続けて控除ができる「控除期間」というものが決まっているのですが、平成13年6月30日を境に、15年から10年に短縮されました。

 つまり、平成13年7月1日〜12月31日の期間に入居した人は、平成22年で10年目を迎えることで平成23年には「対象外」となるので、平成23分の一覧表には掲載されていない、というわけです。

 平成13年6月30日までに入居した人は控除期間が15年ですから、まだあと5年間続くことになります。ここが損得の分かれ目だったんですね。当時は住宅会社もこの点を盛んにアピールし、「駆け込み入居」も多かったはずです。

 民間から出ている手引き書には、ここの部分が従前どおり「平成13年7月1日〜16年12月31日」となっているものもありますが、単に「終わってしまった部分についてもまだ記載されている」というだけで、間違いとは言えません。ただ、適用ミスを防ぐという意味からは、税務署版の方が正しいと言えます。

【関連リンク】

《国税庁》 平成23年分 年末調整のしかた(PDF版パンフレット)
平成22年分 年末調整のしかた(PDF版パンフレット)

※掲載記事は掲載日現在の法令等に基づくものです。その後の制度の廃止・変更等には対応していませんので、ご注意ください。


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